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住宅

1. 住宅保有時の税金

住宅を保有していると、保有しているために課税されますが、逆に控除という形で税額を下げる効果がある、という2つの側面があります。

固定資産税

住宅を保有すると、所有者に対して固定資産税が課せられます。固定資産税は市などが徴税しますが、住宅ローンがある場合はローン会社がEscrowから支払います。そのため、通常は自分で固定資産税を直接払う必要は無く、毎月のローン支払いに含まれる形になります。

固定資産税は評価額によって決まり、評価額が高いとその分、税金も高くなります。評価額は実際の売買価格とは普通は一致せず、それよりも低く設定されている場合がほとんどでしょう。しかし、家が売り買いされるときに、実際に買った額に評価額が変更される場合があるので注意してください。例えば、前の所有者が家の価値が低いときに購入した場合、評価額も低く、その後も評価額は市場価値ほどは上昇しません。そのため、固定資産税は低くなります。しかし、その家を買った場合、その購入価格で評価額が決まり、急に固定資産税が高くなることがありえます。家を購入するときは、評価額がどのように決まり、固定資産税がどのようになるか、あらかじめ計算しておくとよいでしょう。

固定資産税の控除

固定資産税は地方税ですので、連邦レベルでは控除の対象となります。つまり、地方税として払った固定資産税に対して、連邦税は課されないことになります。Tax Returnの際はSchedule Aに記入することになります。

固定資産税は、実際に払った年に控除することができます。例えば、12月に受け取った固定資産税の請求書を、12月中に支払えばその年に控除し、1月になってから支払えば次の年に控除することになります。これを利用してある年は前の年の請求を1月に払い、同じ年の12月にその年の固定資産税を払うことで、1年の確定申告で2年分の固定資産税を計上することができます。次の年は固定資産税は払わず(前年の12月に支払済み)、さらにその次の年に同じことを繰り返し、隔年で払うようにすれば、控除を1年おきに集約することが出来ます。控除を集約すれば、そのままだと標準控除しか使えないような人でも、項目別控除で節税することができます。

ただし、上記の「固定資産税」の通り、通常は固定資産税の支払いは毎月のローン払いに含まれています。控除できるのは、Escrowから支払われた年で、自分がローン返済と一緒に払った年ではありません。そのため、控除する場合はローン会社の明細で、いつ、Escrowから固定資産税が払われたか確認する必要があります。もし、ローン会社に依頼し、固定資産税は自分で払うことに出来れば、上記の隔年払いの節税方法を使うことが出来ます。

住宅ローンの利息

住宅ローンの利息も控除することが出来ます。そのための条件は、ローンの借り入れ金額が$1,000,000までで、家が担保になっていること、自宅、もしくは別荘(Second House)として使用していることなどがあります。これらの条件が満たされれば、その年に払ったローン利息が控除できます。その年に支払ったローン利息はローン会社がForm 1098として送付してきますので、それで金額を確認することが出来ます。

ここで注意しなければならないのは、控除できるのは利息払いのみで、毎月の返済額全額ではないと言うことです。住宅ローンの特徴で解説したとおり、ローン返済のうち、最初の頃は利息がほとんどですが、年とともに元本返済部分が増えていきます。元本の返済は控除にはならないので、仮に固定金利ローンでも、毎年控除できる金額が減っていきます。家を買うときに「住宅ローンは控除になるから節税になる」という話をしますが、控除は利息のみで、その額は毎年減っていく、ということを忘れないようにしてください。

住宅ローンのポイント

家を買う際に、住宅ローンの経費として「ポイント」を払う場合があります。ポイントを払うとその分、利率が低くなり、結果として利息が少なくなります。税法上ではこれは「利息を前払いした」という扱いになり、家を買ったその年に払ったポイントの全額を住宅ローンの利息として控除することが出来ます。

ただし、同じ住宅ローンのポイントでも、借り換え(Refinance)した場合は、全額控除になりません。返済期間で平均して控除していく必要があります。

Home Equity Loan

家を担保に借りるローン、Home Equity Laonの利息払いも控除することが出来ます。そのためには、ローンの借り入れ金額が$100,000であること、家を買うために借りたローン(First Mortgage)を含め、ローン借入額の合計が家の価値を超えないことが条件になります。この条件を満たしていれば、借りたローンをどのように使っても構いません。

家を買うときに、80%を普通の住宅ローンで借り、頭金を払っても足りない分、例えば10%をSecond Loanとして借りる場合もHome Equity Loanと呼ばれる場合があります。また、買った家を増改築する場合に、Home Equity Loanを借りる場合もあります。これらの場合は、住宅取得のための借金(Home Acquitision Debt)として扱われ、上記の住宅ローンの利息の条件を満たす限り、利息の全額が控除できます。

2. 売却時の税金

売却益の免除

自宅を売却した場合、夫婦合算申告の場合は$500,000、独身の場合は$250,000までの売却益に対する税金が免除されます。例えば夫婦で、$350,000の家を購入し、$650,000で売った場合、売却益は$300,000ですので、税金はまったく払わなくて良いことになります。

この免除に該当するのは次のような条件を満たす必要があります。

  • 主たる住居(Principal Residence)である
  • 過去5年間に合計で2年以上、その家を保有している
  • 過去5年間に合計で2年以上、その家に住んでいる
  • 過去2年以内に、この免除の適用を受けていない
この条件を満たさない場合で、かつ、特例の適用が受けられない場合は、キャピタルゲインとして課税されます。

この条件にはいくつか注意事項があります。まず、2年以上住んでいる、という条件ですが、連続した2年間でなくても構いません。最初に1年住み、3年間は人に貸し、最後の1年にもう一度住んでいた場合でも、合計が2年になれば認められます。

夫婦で確定申告し、この免除を受ける場合は上記の条件の適用方法に注意が必要です。まず、2年以上保有しているのは片方の配偶者だけでも構いません。例えば最近結婚し、一方の配偶者が2年以上保有していて、もう一方の配偶者をTitleに追加した*1のが結婚したときであっても、保有条件を満たすことが出来ます。

しかし、その家に2年以上住んでいる、という条件は両方の配偶者が満たさなければなりません。上記の例で言えば、結婚する前に2年以上、一緒に住んでいればこの条件を満たします。また、過去2年以内に夫婦のどちらかが免除の適用を受けていると、仮にそれが結婚する前のことであっても適用を受けられなくなってしまいます。

条件を満たせない場合の特例

上記の条件を満たせない場合でも、「予見できない事情(Unforeseen circumstances)」であれば、部分的に免除の適用を受けることが出来ます。予見できない事情には次のようなものがあります。

  • 死亡
  • 離婚、または法令による別居
  • 失業保険の適用を受けることが出来る失業*2
  • 住宅ローンや生活費の負担に耐えられない雇用形態の変更
  • 双子以上の出産(Multiple births)
  • 災害により住居が損害を受け、売却せざるを得ないとき
  • 地方自治体による公的な徴収
例えば会社の命令による転勤で家を売らなければならない場合、住宅ローンなどの負担に耐えられない雇用形態の変更に当たります。このような場合、仮にその家に住んでいたのが1年だった場合、免除額は半分の$250,000(夫婦の場合)、または$125,000(独身)となります。

また、軍に勤めている場合、配属の変更で2年の条件を満たせない場合があります。軍に従事していて兵役のために引っ越す場合は、2年間の条件を満たしていなくても、免除額が全額使えます。

売却益の計算方法

家を売るときは、お金がいくら手元に残るか気にしてしまうものです。しかし、税法上の「利益」の計算は、手元に残るお金とは別になります。税法上の利益を計算するためには、まず家の取得費用(Basis)を計算します。多くの場合、取得費用はその家を買ったときに払った金額*3と、その後、改築した(Improvement)費用が含まれます。例えば部屋を追加した場合はその費用が改築として計上できます。傷んだ屋根を直した場合など、現状を維持するための修理は計上できません。また、もし1997年に法律が改正される前に、前の家を売った利益に対して税金を払わなくて済むように繰り越した場合、その利益の分だけ取得費用は減額されます*4

売却益は、家を売った価格から上記の取得費用、および売却に掛かった経費を引いたものになります。

売却益への課税

売却益の免除が受けられない場合、または免除額を超えた売却益はキャピタルゲインとして課税されます。1年以上、保有していた場合は長期キャピタルゲインとなり、2006年現在、15%の税率が適用されます。1年以下の短期保有の場合、短期キャピタルゲインとなり、通常の所得税率が適用されます。

*1 : 日本で言えば登記簿に名前を載せることに相当します。
*2 : 自主的に会社を辞めた場合は失業保険を受けることが出来ません。
*3 : ローンなども含まれ、家を買うために必要だった費用がすべて含まれます。自分が現金で用意した金額とは違います。
*4 : 1997年以前は、売却益に対する課税の免除を受けるためには、その利益を次の家の購入資金として使う必要がありました。
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