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ポートフォリオ

1. 資産分配と資産クラス

分散投資することで、個別株のリスクを回避できる事が分かりました。個々の株に投資するのではなく、ファンドを通して、市場に出回っている多くの株に幅広く投資する事を市場全体に投資すると言います。通常はインデックスとしてS&P 500やさらに幅広いWilshire 5000 を使うファンドに投資する事で市場全体に投資することになります。

株式市場全体に投資し、それとリスクフリーの運用先を組み合わせる事で、リスクと利回りのバランスを取れる事も分かりました。リスクフリーの投資は銀行預金など現金資産(Cash)として運用します。

さらなる分散

リスクを取って高い利回りを得る投資先としてS&P 500を考えましたが、さらにリスクを軽減する、あるいは高い利回りを得るにはどうすればいいでしょう?それには資産分配(Asset Allocation)を考えます。今まではリスクがある投資として株式(およびそのファンド)と、リスクフリーの投資として米国債だけを考えてきました。しかし投資先には他にも債券、不動産、外国株などがあります。株だけでなく、さまざまな資産クラス(Asset Class = 投資先の種類)に資産を分配(Allocate)すると、リスクを軽減し、利回りを高くすることができます。ここで、代表的な資産クラスをまとめておきましょう。

2.

株の役割

株は多くの資産クラスの中でも利回りが高い部類に入ります。また、市場が熟成していて、誰もが簡単に低い経費で取引できます。そこで、リタイアまで時間がある場合、ポートフォリオの中で株は中心的存在になります。株にはリスクが伴いますが、長期間に渡って投資することでそのリスクに見合った利回りを得る事が出来ます。ポートフォリオの中心にするファンドをコアファンドといいます。

多くのフィナンシャルアドバイザーは大型株、中・小型株、成長株、安定株などに幅広く投資するべきと言っています。しかし、こういったカテゴリーに分けて、それぞれのカテゴリーでファンドを購入することは無駄や重複が多くなってしまいます。大型株も中小株も成長株も安定株も全て含むコアファンドを1つ選んで、一度に幅広く投資するのが理想的でしょう。

外国株

ヨーロッパやアジア、その他の地域に投資する株式ファンドをInternational Fund(外国株ファンド)などと呼び、別の資産クラスとして米国株式(ファンド)と区別する場合があります。米国の株式と外国の株式は必ずしも同じ値動きをしないので、リスクを分散する事ができます。International Fundは経費が高くなる傾向にあります。米国内のコアファンドを選んだ後に、補足的にInternational Fundを使うのが良いでしょう。

3. 債券

株と常に比較される資産クラスの代表は債券(Bond)でしょう。債券はリスクが少ない(=価格変動が株式ほど激しくない)ので、株式投資と組み合わせて投資全体の利回りを安定させるために使われます。また、債券は主に市中金利の影響を受け価格が上下します。株価と違うパターンで値動きするので、株価が低迷したときでも債券を保有する事でポートフォリオ全体が安定します。

もう一つの債券の役割は、ポートフォリオからの利息収入を得る事です。債券はあらかじめ決まった利息支払いをしますから、ポートフォリオからの利息が必要な場合、安定した収入源として債券を使います。ポートフォリオからの利息収入が必要になるのは主にリタイアした後です。リタイアする時期が近づくとポートフォリオでの債券の割合を増やす事になります。

債券の役割

リスクが非常に低い債券、特にTreasuary Billはリスクフリーの資産クラスとして使います。米国の短期債(1年以下)はリスクが限りなくゼロに近く、元本割れを心配する必要がありません。既にリタイアしている場合などポートフォリオの安定が非常に重要な場合に組み入れると良いでしょう。しかし、ポートフォリオのGrowth(成長、増加)を望む場合、利回りが低すぎてしまいます。

米国債でも中期、長期と期間が長くなるにつれ、金利リスクが高くなります。金利リスクとは市中金利が上がったとき、その債券の価格が下がる事です。リスクがある分、利回りも良くなるのが普通です。元本が確実で利回りがいい中・長期債はポートフォリオからの利息収入を得るために使えます。

社債は金利リスクに加え、マネージメントリスク、つまりその企業自体の先行きに関するリスクが伴います。それぞれの企業の格付けでリスクを知ることが出来ます。社債は個々の企業のリスクを避けるためにMutual Fund を使って保有する方が良いでしょう。いずれの場合も、高い利回り(=利息収入)を得ると同時に、株と違う値動きをする資産として利用します。

社債でも特にリスクが高いものをジャンクボンドまたはHigh Yield Bondと呼びます。こういったリスクの高いものでも、ポートフォリオの一部に組み込めば全体を安定させる意味があります。ジャンクボンドは株価と連動しないだけでなく、格付けの高い債券とも違う値動きをします。利回りが高い分、リスクも高く、個々の債券ではなく、必ずファンドを使うようにしましょう。

4. 不動産

不動産は資産クラスの中でもユニークな存在です。不動産は有形資産として直接投資することも、証券(Paper Asset)として間接的に投資することも出来ます。また、直接投資する場合は比較的簡単にLeverage(借金して手持ち資金以上の資産に投資すること)が可能になっています。

不動産は株、債券とも値動きが連動していません。そこで、ポートフォリオに適切に組み入れる事で、他の資産クラスが不振のときでも利回りを得る事が出来ます。ただし、不動産投資は地域性が高く、流動性が低い資産*1ですから、リスクも高くなります。

リスクが高くなりますが、不動産はその特徴が他の資産クラスと違う事から、ある程度の大きさのポートフォリオ*2では必ず組み入れておきたいものです。積極的に投資物件として家やアパートを買って貸す方法が一番分かりやすいものといえます。しかし、リスクや手続きの面倒さを考えると、すぐに直接投資をしようと思う人も少ないでしょう。

直接投資する、比較的簡単な方法は、自分の住む家をまず購入し、数年たった後にそれをレンタル物件にする方法です。何らかの事情で引っ越さなければいけないときに前の家を売ってしまうのではなくレンタル物件にする方法は比較的簡単です。また、最初からレンタル物件にするつもりでも、自分の家として購入し、住む事で、低い利率のローンを得られたり、税法上有利になる場合があります。

不動産に投資する間接的な方法、つまりPaper Assetとして投資する方法は、REIT(Real Estate Investment Trust)を保有する事でしょう。REITはさまざまな不動産に投資し、収入を投資家に還元するものです。1つのREITはいくつかの不動産を保有しますから、直接投資に比べてリスクをある程度分散できます。さらにREIT Mutual Fund であれば、さまざまなREITに投資することが出来ますから、ポートフォリオに組み入れるには最適でしょう。

また、住宅ローンを担保に発行する債券(Mortgage-Backed Securities = MBS)も不動産投資の一形態といえます(債券投資ともいえます)。FannieMae(ファニーメイ)やGinnieMae(ジニーメイ)が発行しているMBSは発行数も多く、個人でも購入できるほか(最低$25,000以上)、Mutual Fund を使えば少額から投資することが出来ます。MBSは、利息だけではなく元本の一部も支払いとして返ってくることが特徴です。

REITやMBSの間接投資の場合、ローンを組んで投資する、あるいは不動産の価値(Equity)を担保に借金するといった、直接投資のメリットはありません。しかし、ファンド会社、あるいは証券会社で手軽に投資できるというメリットがあります。どういった形でポートフォリオに組み入れるかは、その人の(経済)状況、好み、リスク許容度によって変ってきます。

5. その他

上記の資産クラス以外には、貴金属、先物取引、天然資源、骨董品などがあります。しかしいずれも、リスクや手数料が高かったり、流動性が低いなどのデメリットがあります。ポートフォリオの目的は適度なリスクで多くの利回りを得る事です。これらの資産クラスを保有してもそれほど利回りを高くすることが期待できませんから、普通の人のポートフォリオには向いていません。

*1 : 株や債券なら電話一本、クリック1つで売り買いできますが、不動産はそうはいきません。
*2 : 状況にもよりますが、ポートフォリオ全体が$100,000以上の場合です。
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