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リタイアメントプラン

1. RothIRAとは?

RothIRAは1996年にできた比較的新しいリタイアメントプランです。このプランの特徴は何と言ってもTax Deferred(税金の先延ばし)ではないことでしょう。RothIRAに拠出するお金は、IRAや401(k)と違って所得控除の対象になりません。つまり、税引き後のお金として拠出します。ですから、拠出額に対する税金のメリットはありません。

拠出金が控除にならない代わりに、59歳半を過ぎてから引き出す場合に税金が掛かりません。さらにRothIRAで運用して増えたお金にも税金が掛かりません。所得税もキャピタルゲイン税も全く無しで引き出せるのです。つまり、今ガマンして税金を払えば、将来、良い事が待っていると言う、まさにFI的な発想です。Tax Exemptの項目で説明した通り、税金が掛からずに運用できると言うのは将来、大きな差になります。

2. 拠出額

RothIRAへの拠出可能な金額はIRAと全く同じで下記の表のとおりです。IRAと同じ年に拠出する場合は、IRAとRothの合計が上限を超えてはいけません。

IRAの拠出額の上限
50歳未満50歳以上
2007$4,000$5,000
2008$5,000$6,000
以降、インフレ率に応じて$500単位で増額

3. 年収制限

RothIRAの年収制限はIRAに比べて非常に緩いものになっていますので、多くの人が拠出可能になると思います。独身者(Single)の場合はMAGI(Modified Adjusted Gross Income)が$99,000まで、既婚世帯(Married Filing Jointly)の場合は$156,000まで上記の拠出額をRothIRAに入れることができます*1。その額を越えると、Singleの場合、$114,000まで、Filing Jointlyの場合、$166,000まで割合に応じて拠出可能額が減っていき、これを越えると拠出できなくなります。

4. 税金を今払うか、後で払うか?

IRAとRothIRAとの一番の違いは、税金を今払うか、後で払うかであると言えます。では、どちらがいいでしょう?答えはズバリ、RothIRAの先払いです。理由はいくつかありますが、一番単純なのは、運用して増える前に払ったほうが、運用して増えてから払うより得になる事が上げられます。

また、どちらの場合でも(キャピタルゲインでなく)所得税率で課税されますが、リタイアした後のほうが所得が多く、税率が高くなります。税率の低い若いうちに税金を払って、税率が高くなってしまった老後は払わなくて済む、というのが賢い運用方法です。

「えっ?普通はリタイアした後のほうが労働収入がなくなるので、所得は減るんじゃないですか?」と思った人、間違いです。いえ、間違えになるようにしましょう。つまり、FI的に将来のことを考えれば、リタイアする頃には不労収入が労働収入よりも多いくらいでないといけません。実際、リタイアする理由として労働収入がなくても十分に収入があるからという人は多いと思います。

5. Conversion

RothIRAは新たに拠出するだけでなく、既に拠出済みのIRAからConversion(転換)することができます。こうすることで、所得税を今払い、将来、非課税で引き出しできるようになります。

Convertするときの税金

IRA*2をRothにConvertすると、Convertした年に税金がかかります。例えば$3,000をRothにConvertし、税率が27%の場合は$810の税金を払わなければいけません。この税金はRothIRAにConvertした分とは別に自分で用意しなければいけません。上記の例では$3,000をConvertしていますが、そこから$810を引いて納税し、残りの$2,190をRothIRAとして運用するということはできません*3。このため、現金の余裕がない場合はConversionはお勧めできません。

Convertした年は納税額が増えますからその分、給与から多めに引かれるようにW-4を変更して提出する、あるいは予定納税を行う必要があります。すでに税金を多めに払っていればTax Returnで返ってくる分が減るだけで済むかも知れません。Convertする額に応じて納税額が足りないことがないように事前に計算しておきましょう。

年収制限

IRAからRothIRAにConvertする場合は、新たに現金を拠出する場合と違ってAGI(Adjusted Gross Income)が$100,000以下でなければなりません。Convertした分もAGIに含まれてしまいますので、例えばAGIがすでに$90,000の人は$10,000以上はConvertできません。

いつConvertするか

RothIRAへのConvertは「今すぐ税金を払って、後で課税されないようにする」というのが基本になります。IRAで運用する期間が長くなり運用益が増えるとConvertの際にその運用益に対しても課税されてしまいますから、同じConvertするなら早いほうがいいでしょう。

ただし、IRAからRothIRAへConvertするタイミングは重要です。上記に示した税金と年収制限の兼ね合いから、例えば今年は年収が高いが、来年はTax Bracketが下がることが分かっている場合、あえて来年になってからConvertした方が税金が少なくて済みます。また、IRAで運用していたStock Mutual Fundの価値が下がっている場合(かつFund自体を売るつもりはない場合)、価値が下がっているときにConvertすれば、低い価値に対しての税金を払い、将来の値上がり分について非課税で運用できるのでいいタイミングと言えます。

Recharacterization

IRAの価値が下がっているときにConvertするのが有利になりますが、Convertした後にさらに価値が下がった場合や、年収が増えて$100,000を超えてしまい、Convertの権利が無くなってしまった場合はどうすれば良いでしょう?

そのような時はConvertをRecharacterizeして、Conversionを無かった事にできます。Convertで課税された税金はRecharacterizationで戻ってきます*4。例えば$5,000のIRAをConvertして28%の税金が掛かった場合、$1,400になります。しかし、その後、価値が下がってFundの価値が$3,000になったとしたら、それをRecharacterizeすることで、$1400が戻ってきます。

IRAからConvertしたRothIRAをRecharacterizeした場合、結果として元に戻ったIRAを同じ年にさらにもう一度Convertしなおすこと(Reconversion)はできません*5。また年の終わりにRecharacterizeした場合は、IRAに戻してから30日以上経たないと、Convertはできません。年の終わりにRecharacterizeして税金を払わずに済むようにして、年が明けて30日以上経ってから(新しい会計年度として)Convertすることは可能です。上記の例で言えば、次の年に$3,000の価値でConvertすれば、税金は$840で済むことになります。しかし、Convert/Recharacterizeの手続きは時間が掛かるので、もう一度Convertする頃に株価が上昇していたら節税効果は無くなってしまいます。

*1 : カップルの場合、結婚してなければそれぞれ$99,000までOKなのですが、結婚すると合計で$156,000までになります。このように結婚すると税金などで不利になる(Marriage Penalty)場合があります。
*2 : 他のIRAと区別するためにTraditional IRAと言う場合があります。
*3 : 納税のためであってもRothIRAとして運用されない金額はIRAからの引き出しとして扱われ、それ自体に税金+ペナルティが掛かります。
*4 : 同じ年にConversionとRecharacterizationをした場合は納税義務がありません。
*5 : 1998までは何回でも、1999年は1回だけReconvertができましたが、2000年以降はReconvertはできなくなりました。
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